ITストラテジスト試験の勉強法まとめ午後2対策

ITストラテジスト試験の勉強法まとめ 午後2対策
勉強テクニック 午後2
解答知識エリアの絞り込み
 ITストラテジスト試験の論文は、主に通常のソフトウェア開発に関する問題が2問、組み込み機器に関するものが1問出題され、その中から1問を選択する。そのため、あらかじめどちらかに絞って演習をするとやりやすいだろう。常識的には問題に選択の余地があるシステム開発に関する論文を選択するのが望ましいく、実際に組み込み聞きに関する見識が広い人以外は、システム開発の問題を選択したほうがいい。当wikiでは基本的にシステム開発の問題に対して述べるものとする。
情報システムの開発の流れを理解する
 はじめてITストラテジストの論文を学習する人は、論文でどのようなことを記述すればいいのか迷うと思う。そういう人は情報システム開発の全体の流れを一度勉強することをお勧めしたい。開発には流れがあるので、その前提でシステム開発が進んでいくため、大まかな流れとして論文が記述し易くなるからである。
 情報システムの開発にはIPAが考えている簡易的な流れがある。これを学習しておくと、論文問題に記述されている状況が、どのような段階にあるのかを理解できるようになる。そうすると、どういう観点で論文を記述すればいいか、より分かりやすくなる。
 具体的には、こういう流れで情報システムは開発される。
  • 1)経営戦略に基づく情報技術を活用した事業戦略の策定
  • 2)情報技術によるビジネスモデルの策定
  • 3)事業戦略の実現可能性の確認
  • 4)情報システム戦略の策定
  • 5)全体システム化計画の策定
  • 6)個別システム化構想・計画の策定
  • 7)適切な個別システムの調達
 他にも論文の問題で全体システム化計画の策定段階で設問もそれに関する設問であるのに、主に個別システム化計画について論じてしまうと的を外してしまう可能性があるが、その防止にも活用できる。
 なお、それぞれの段階で具体的にどのようなことを検討し決定するのか、IPAのITストラテジストのシラバスをみると詳しく記述されているので、それを調べておくと論文の参考になる。
意思決定手法を暗記する
 ITストラテジ試験の論文では、なぜそのような手法を採用したのかという合理的な説明がないと説得力に欠けるものになってしまう。例えば複数の経営戦略や改革手法を立案し、そのうち一つを選択するときに、なんでそれ選択したのかという合理的な説明の記述が求められるわけだ。
 例えば飲食業で料理を運ぶ店員の人件費を削減しようと思ったとき、その手法はいくつか考えられる。例えば「回転寿司のようにレーンで運ばれるようなシステムを導入する」でもいいし、「バイキング形式にする」という手法も考えられる。他にも「店員の担当するテーブルの範囲を決め合理的に料理を運ばせることで従業員の雇用を最低現にする」という手法も考えられるだろう。いずれも人件費の削減方法として正解なのだが、ではなんでその中から一つを選択したのか?という「何か」が必要になるわけである。
 それが、下記に示す「意思決定手法」を利用することで合理的な説明ができる。例えば、「リサーチした結果、同業者他社で成功している」や「専門家の意見」などである。他にも設問によっては「費用対効果を検討した結果、長い目でみると最もコストが低くなるという分析結果がでたから」というのもいいだろう。
 このように、経営者が立案した経営方針、事業の特性、他社との競争の動向などとうまく絡めて、下記の意思決定手法のうちいずれかを選択し、複数の戦略や手法から一つを選択したというような論文にするとさらに説得力が増す。
強制力のある指示
  • 法律の変更
  • 経営層からのトップダウン
  • セキュリティの向上
  • コンプライアンス遵守
分析手法
  • SWOT分析
  • 4P分析
  • 費用対効果の検討
  • ABC分析
  • 時間分析
ツール
  • マトリクス図法
  • パレート図
  • 特性要因図
  • マインドマップ
リサーチ
  • 他社の成功事例
  • 客からの要望
  • 専門家の意見
構想立案時の工夫を暗記する
 過去の論文問題の文中にはITストラテジストとしての行動指針がいくつも書いてあることがわかると思う。これらをワードとして覚えておくと論文の記述にも利用できるし、午後1問題において問われる「解決手法」への解答としても利用できるので、覚えておいて損はない。
 例えば、要員の教育で工夫したことを述べる必要があった場合、下記の「運用、保守、教育での工夫」の項目から、教育に利用できそうな工夫を抜き出す。すると、「チェックリストの利用」「教育と教育計画」「職位レベルと給与の見直し」「資格の取得」などが利用できそうなワードとして存在していることがかる。
 そこで、これらのワードちりばめて論文を作成する。例えば、「システム稼働前に、システムを利用する従業員の教育を行うための教育計画を立案した。さらに知識を高めるために資格を取得させ、能力によって給与体系を見直した。システム運用時にはチェックリストを活用させ、システムの利用を促進させた」などというようなストーリーを簡単に作ることができる。
 具体的には以下のようなものがワードとなる。それぞれ覚えておこう。
業務改革時の工夫
  • 人員を特定業務に専念させる
    • なぜ人員を業務に専念させることが工夫になるのか?それは参考書で学習しよう。以下すべてで行うこと
  • 定量発注、定期発注
  • 組織の役割、構成の見直し
  • コミュニティの活用
  • 過剰業務、重複業務の廃止と削減
  • 業務プロセス分析
情報システム戦略での工夫
  • IT化による商品の差別化
  • 複雑な判断が必要になる作業をIT化によって軽減する
  • 他社の成功事例を参考にする
  • 過去の売り上げなどのデータを分析して活用する
  • 拠点、支店間のデータ共有
  • 既存のソフトウェアパッケージの利用
  • 新しい業務やシステムをアウトソーシングする
  • シェアードサービスの利用
  • 作業のIT化による自動処理
  • 経験や知見を組織で共有する
  • 意思決定の支援
  • 重要度、緊急度、戦略性、投資額、効果の総合的評価
従業員、部門に対しての工夫
  • 情報システム化推進委員会の設立
  • 担当者からのヒアリング
  • 各部門に協力させる
  • 利害関係の明確化
  • 業務革新の目的やゴールの共有
  • 利害関係者とのコミュニケーション
  • トップダウンアプローチ
  • ボトムアップアプローチ
システム設計時の工夫
  • カスタマイズ可能な設計
  • システム間連携の工夫
  • プロトタイプ手法
  • Webサービス使用の必須化
  • SOA化
  • Web(SaaS)化
  • ソフトの事前評価
  • 既存システムの流用
  • オープンシステムの利用
  • クラウドの利用
運用、保守、教育での工夫
  • 意識改革、業務プロセスのモニタリング
  • フォールバック計画
  • 管理者の意識改革
  • チェックリストの利用によるシステム活用の促進
  • 教育と教育計画
  • 職位レベルと給与の見直し
  • 資格の取得
  • グローバルサポートの活用
  • 災害時のリスク管理
  • キャリアパス、ローテーション制度の活用
策定した施策を説明する際の工夫
  • 定性的な内容も数値化するなど定量化してわかりやすく説明する
  • 複数案を並記して比較する
  • 複数案について、それぞれの効果や費用を比較する
事前にストーリーを5つ用意しよう
 ITストラテジスト試験の論文問題は、非常に様々なものが出題される。そのため論文の事前準備というのは難しいが、それでもだいたい大まかなパターンがある。それを事前に準備しておくだけでも、かなり本番での解答が楽になると思われるので実際に用意しておこう。出題される可能性の高い用意すべきストーリーのパターンは以下の通り。
用意するストーリー1 業務プロセスのIT化による効率化
 もっともよく出題されるパターンの一つ。既存の業務プロセスをIT技術を利用することで効率化するというストーリーである。例えば居酒屋で、これまで手書き伝票だったものをハンディターミナルを利用して効率を高めようというようなものだ。
  • 応用可能と思われる問題 2004年問3 2008年問1 2009年問1 2010年問1 2013年問2 2014年問1
  • ※2008年以前はシステムアナリストの論文問題(以下同様)
用意するストーリー2 リアルタイムな情報収集と情報提供
 これは経営者が経営活動の指標をリアルタイムに収集し経営判断に活かせるようなシステムや、非定型業務などを効率化させるために情報提供をするシステムを作成するというストーリーだ。具体的には、本部が各地の工場の在庫をリアルタイムに閲覧できたり、在庫不足による発注を助けるために将来の予想受注数を発注担当者に提供するシステムなど。
  • 応用可能と思われる問題 2004年問1 2007年問3 2012年問1 2013年問1
用意するストーリー3 IT技術を導入による業務プロセスの変更
 これはシステム導入によって業務プロセスを変更しなければならないパターンで、これもよくあるパターン。例えばERPパッケージの導入で、ERPの導入にあわせて業務プロセスを変更する必要がでてくるというような論文を用意する。他の出題例としては「ソフト導入時に現在の業務プロセスを最適化することで業務の効率が良くなる。どのように最適化したか?」などというものもある。
  • 応用可能と思われる問題 2006年問2 2008年問2 2010年問2 2011年問2
用意するストーリー4 全体最適化計画で個別システム化計画の開発の優先順位を決める
 これは全体最適化計画で、複数ある個別システム開発の優先順位や投資金額を決めるパターン。例えば、受注管理、生産管理、在庫管理など複数のシステム導入が決定しており、そのどれから開発していけばいいかを決めるようなストーリー。これもよくあるパターンなので用意しておく。
  • 応用可能と思われる問題 2005年問3 2006年問1 2008年問3 2015年問2
用意するストーリー5 全体最適化計画でシステム化方針を策定する
 これは全体最適化計画で、個別システム開発の基本的なシステム化方針を決定するパターン。例えば、各システムの接続方式を専用線にするかインターネット経由にするか、情報のやりとりの方法をSOAにするなどというストーリー。これも頻出問題なので、事前に準備しておこう。
  • 応用可能と思われる問題 2005年問2 2007年問1 2012年問2 2014年問2
ストーリーの詳細の事前準備
 ITストラテジスト試験論文問題では、経営に関する問題点を答えさせ、それをIT技術を利用して改善していく様子を工夫した点を含めながら返答させるようなパターンが多い。なので、それぞれのストーリーについて、ただなんとなく用意しておくのではなく、携わった会社の現在の事業環境はどのようなものであるのか、ライバル会社の動向はどうなのか、会社は経営戦略として今後どうすべきと考えているのかまで考えておくことが望ましい。
 さらにシステム化構想を策定するにおいて、なぜそのシステム化構想を立案したのか説得力のある理由と、構想立案時に発生するでろう問題や経営課題に対しどのような工夫をして問題を解決したかを考えておくことが望ましい。こうすることで「ライバル出現→売り上げ減→自社の製造コストが高い→IT技術を利用して生産コストを下げる→その時に工夫したこと」という一連の流れを、事前に用意されているため矛盾なく論文を答えられるからである。
 特に「工夫したこと」は、問題点とセットに5つぐらい述べられるようにしておいたほうがいい。数が少ないと論文の設問内容によって答えられないパターンがでてくるし、設問イで「工夫した点を述べよ」設問ウで「さらに改善できる点を述べよ」が出題される可能性を考えると最低2パターンは必要になるからだ。
 「分析」の項目では、どのような分析をして意思決定したのかを具体的に用意しておく必要があるわけだが、これは前述した「意思決定手法」の中から選択するようにすると作りやすくなる。
 また、「用意する工夫」の項目に関しても同様に、前述した「構想立案時の工夫」の中から選択するようにするとストーリーが作りやすくなるだろう。
 具体的には、以下のようなストーリーを事前準備しておくのが望ましいので参考にしてみてほしい。
  • 居酒屋にシステムを導入するストーリー
  • 事業環境
    • 他の安い店舗の出店攻勢で競争が激しい
  • 経営戦略
    • 原価を削減し、そのぶん良い材料を購入し同価格でも料理品質を高める
    • 主に削減するのは人件費と原材料費
  • 分析
    • どの作業にIT技術を適用できるか業務プロセスを調査しアクティビティ図にまとめ分析する ← 暗記した意思決定手法(アクティビティ図)
    • 従業員がどのような作業をしているか時間を計測して調査し、付加価値を生まない業務を分析いる ← 暗記した意思決定手法(時間分析)
  • 分析結果
    • 出品数の予測に失敗し材料破棄が多い
    • 発注業務に時間が非常にとられている
    • 伝票管理などの管理業務に時間が非常にとられている
  • 分析した結果の問題点をIT技術で解消する施策
    • 出品数の予測に失敗する
      • 過去の季節、天候、温度が似た日の料理出品数が表示できる新レジPOS導入 ← 暗記した構想立案時の工夫(意思決定の支援)
    • 発注に時間がかかる
      • 業者への発注が可能な新レジPOSの導入 ← 暗記した構想立案時の工夫(IT化による自動処理)
      • グリーンサラダ3人前=レタス1個のように簡単に分量へ変換して発注できるようにして業務を効率化させる ← 暗記した構想立案時の工夫(IT化による自動処理)
    • 伝票管理に時間がかかる
      • 新レジPOS導入で伝票の本社一括管理とし負担を軽減 ← 暗記した構想立案時の工夫(データ共有)
  • 問題点をIT技術で解消する際に行った工夫
    • 新規レジPOS導入はコストが高い
      • オープンシステムを利用したレジPOSで安価に ← 暗記した構想立案時の工夫(オープンシステム)
      • エントリシステムは既存のものを流用 ← 暗記した構想立案時の工夫(既存ソフトの利用)
    • システムによる出品数予想は必ずしも正確ではない
      • 過去の出品数を表示し従業員が補正できるように ← 暗記した構想立案時の工夫(意思決定の支援)
    • ランニングコストの削減
      • データ量が少なくセキュリティの観点からモデムを利用し電話回線で通信 ← 暗記した構想立案時の工夫(システム間連携の工夫)
    • セキュリティ向上
      • 登録された電話番号からしか受話できないようモデムに設定する ← 暗記した構想立案時の工夫(システム間連携の工夫)
筆記用具を揃える
 学生の頃はどんな筆記用具でも余裕で長文を書けたようなイメージがあるけど、書き慣れなくなると筆記用具で長文を書くのが辛くなっていたりする。
 それでも良い筆記用具を使うと疲れずに長文をかけるようになるみたい。
 いろいろな筆記用具関連のサイトを見ると、手の疲れは筆圧や書き方、筆記用具の性能に依存するようなので、自分の使いやすい筆記用具を使うとかなり改善されるようだ。
 自分も筆圧が強くすぐに手が疲れて困っていたけれど、筆記用具をいろいろ試して、長文を書くごとに疲れずに書けるような方法があることに気がつくことができた。疲れて長文が難しい人はいろいろ試してみるといいと思う。
 自分が、実際に使ったのは、三菱鉛筆のαGELグリップのクルトガ機構搭載タイプ、パイロットのドクターグリップ。替え芯はぺんてるのハイポリマー For Proの2Bの替え芯。
原稿用紙を用意する
 手書きで練習する際には実際に原稿用紙を用意して記述するようにしよう。レポート用紙などに手書きで記述していると、どうしても文字サイズが異なるので本番時に違和感を感じてしまうからだ。
 本番の解答用紙は手に入れることができないが、サイズはA4でそこに400字を記述するような解答用紙なので、市販のA4サイズの400字詰め原稿用紙を購入して実際にそれで手書き練習をするのがおすすめ。実際にマス目の大きさにも違和感なかったし、本番に近い環境で練習できるのはきっとメリットがあると思う。
論文の記述方法と学習
基本的な勉強の流れ
 いきなり論文を記述するのは苦労すると思うので、まずは過去問に対して「章立て」と「設問からの抽出」を作成してみよう。問題文に沿った章立てと設問からの抽出を作るのが最初は少し難しいが慣れると簡単にできるようになる。これができるようになると、論文が求めている内容に沿って論文がかけるようになるわけだ。
 そしたら、次に章立てに従って骨子を作成する。骨子を作成するのは最初は苦労するかもしれないが、この骨子を作る過程が勉強になる。骨子を作成していくと、事前準備したストーリーと合致しないような部分がでてくるので、そういうのがでてくるたびにストーリーを変更したり追加したりしてストーリーをブラッシュアップしていこう。
 骨子を作れるようになったら、次にエディタで論文を実際に記述する。
 論文問題に必要な技術は、問題の解答力(構成力)と、手書き能力だと思う。でも、解答力と手書き能力は一致しない。最初から手書きで練習し疲れてしまうと途中で飽きて面倒になってしまう。だから、ある程度できるようになるまで、エディタを使って構成力を養うほうがいいと思う。それで慣れたら手書きで記述して長文を時間内で書く練習をするのが効率がいい。
 自分も論文の演習はすべてエディタでやって、直前の数週間で実際に手書きして手を成らす感じで勉強をした。おかげで効率良く論文の学習ができたと感じている。
 使用するのは、より軽量なエディタのほうが便利。論文では文字数を気にする必要があるので、等倍フォントが利用でき、行数が表示されるエディタがいいと思う。
 例えば秀丸エディタのようなものがお勧め。1行を25文字で記述すれば、4行で100文字。8行で200文字というように計算がしやすい。
  • 論文の勉強の流れ
  • STEP1 章立て
    • 問題文の読解力の向上、問題文作成者の質問意図を理解する能力の向上のため
    • まずは章立てを作ることに専念する。過去問全てに対してやってみよう
      • 章立てすることで、どんな問題が出題されるのかも学習できるはずだ
  • STEP2 設問からの抽出
    • 問題文の読解力の向上、問題文作成者の質問意図を理解する能力の向上のため
    • 次に設問から解答すべき項目を抽出する作業。これもSTEP1で作成した骨子に対して行ってみよう
      • なんとなくこういう論文が書ければいいかのな?と考えながら抽出していこう
  • STEP3 骨子作成
    • ストーリを短時間で作る構成力の向上のため
    • 経営戦略を実現するためのシステム化構想を立案するための知識の学習
    • STEP2で作ったものにストーリーの骨子を当てはめていく作業。ここが一番苦しいが頑張って骨子を作ろう。
      • この段階で用意すべき5つのストーリーと、その詳細について作成していこう
      • またこのページで紹介している「意思決定手法」「構想立案時の工夫」について、それぞれ学習していこう
      • ストーリーができたら、それぞれの問題に対して骨子を作成して演習しよう
      • 途中で矛盾等でてくるので、その都度ストーリーをブラッシュアップしていこう
  • STEP4 エディタで実際に論文を記述
    • 論文らしい言い回し、知識や定量的表現の入れ方などの学習
    • すべての過去問で骨子が作れるようになると、ほぼストーリーの事前準備も終わったはず
    • 次は実際にエディタで論文を記述して、言葉の言い回しや知識の挿入方法について学習しよう。
      • これまでに作成した骨子やストーリーに基づいて論文を実際にエディタで書いていこう
  • STEP5 実際に手で論文を記述
    • 長文を書く筋力やテクニック等を実際に身につける
STEP1 設問から題目を作成する
 論文は問題を読んで順番に論述しようとすると、解答する内容がブレてしまうことが多い。だから、最初は問題を読まず、どんな解答を求められているか設問から章立てをすることがぶれない解答をする近道だ。
 もちろん実際の試験では3問中1問を選択するので、問題を読んで選択するわけだけど、実際に解答するときは設問から章立てして、それから問題文を熟読して解答するのが合格への近道となる。
 例えば、平成24年の問1を問題文を読まずに設問だけで章立てするとこのような構成になる。
1 私が携わったITを活用した事業戦略の策定について
1.1 事業特性
1.2 前提となった競争戦略
2 策定した事業戦略について
2.1 **********
2.2 **********
2.3 **********
3 事業戦略の提案方法とその評価について
3.1 事業責任者への提案と評価
3.2 今後の改善点
 これが求められている内容をすべて網羅した章立て=論文の流れとなる。場合によっては問題文を読むことで多少は変化してくることもあるが、90%ぐらいはこのままの構成が利用できる。こうすることで問われている内容から大きく乖離することなく解答できると思うし、論文を構成することができると思うので、試してみるといいと思う。
 ここで疑問に思う人もいると思う。2.1と2.2が空欄になっていることである。実はITストラテジストの論文問題では設問から2.1、2.2の章立てを作ることが難しい問題が多い。ではどうするかというと、その流れは基本的には問題文中に記述されているので、そこから抜粋することで対応する。
 今回の平成24年論文問題の問1の設問イには「どのような事業戦略を策定したか」との記述がある。そこで問題文をみると、「事業戦略の策定においては~」から始まる分析手法の例が記述されている。2.1、2.2、2.3は、そこに記述されている分析手法の例を引用して章立てをする。どの分析方法を利用するかは、事前に用意したストーリーに最も適用可能なものを選択する。そうすると具体的には以下のような章立てを作ることができる。
2 策定した事業戦略について
2.1 IT技術によって差別化が可能なプロセスの明確化
2.2 業務プロセスのIT化の課題
2.3 策定した事業戦略と活用したIT技術
STEP2 問題文から解答すべき項目を列挙する
 章立てをすることでどのような論文の流れになるか道筋が見えたと思う。この次に、さらにどのような内容の記述を求められているのかを問題文から抜粋して記入していく。こうすることで解答すべき内容を網羅することができるので合格率を高めることができる。
 同じく平成24年の問1。
1 私が携わったITを活用した事業戦略の策定について
1.1 事業特性
 ▼事業特性
1.2 前提となった競争戦略
 ▼他社との差別化、コスト削減、ニッチへの参入などの競争戦略
2 策定した事業戦略について
2.1 IT技術によって差別化が可能なプロセスの明確化
 ▼差別化が可能な業務プロセスの明確化
2.2 業務プロセスのIT化の課題
 ▼業務プロセスをIT化するための課題
2.3 策定した事業戦略と活用したIT技術
 ▼策定した事業戦略と活用したIT技術
3 事業戦略の提案方法とその評価について
3.1 事業責任者への提案と評価
 ▼事業責任者に対して行った提案の工夫
 ▼提案への評価
3.2 今後の改善点
 ▼今後の改善点
 ▼の部分が具体的に回答を求められている内容だ。このように問題文から抜粋して各章に割り振ることで、具体的にどんなことを記述すればいいのかが見えてくる。あとは、この具体例に合わせて骨子を作るだけ。今までエディタでシコシコと論文の骨子を作成して養った構成力が役に立つ。
 章立てができるようになったら、次はその章立てに対して解答すべき項目を作成する勉強をしていこう。
STEP3 ストーリ(骨子)を作る
 あとは作成した章立てに従ってストーリーを考える。最初からいきなりかくと後から整合性がとれなくなることがあるので、最初にうちに骨子を考えてから書き始めるのがお勧め。具体的には、問題選択に5分、章立てや骨子の作成に15分、残りの90分で書き上げて、残りの10分をチェックに使用する感じがベストだと思う。90分で書き上げるのは手書き能力。15分で骨子を作るのは構成力。
 では、実際にどんな感じでストーリーを作るのか。具体的にはこんな感じ。同じく平成24年の問1。ここまでくると問題文をみなくても章立てだけで論文が作れる。これを記述すると時間がかかるから、問題文にアンダーラインを引いたり、章番号を書いたりすることで対応しよう。
1 私が携わったITを活用した事業戦略の策定について
1.1 事業特性
 ▼事業特性
 ※他の店舗の出店攻勢で競争が激しい
1.2 前提となった競争戦略
 ▼他社との差別化、コスト削減、ニッチへの参入などの競争戦略
 ※原価を削減し、そのぶん質の良い材料を仕入れ料理の付加価値を高める
 ※主に削減するのは人件費と材料費
2 策定した事業戦略について
2.1 IT技術によって差別化が可能なプロセスの明確化
 ▼差別化が可能な業務プロセスの明確化
 ※業務プロセスをアクティビティ図にまとめ、流れをわかりやすくする
 ※従業員から差別化が可能なプロセスのヒアリングを行う
 ※専門家の意見を聞く
 ※従業員の活動を業務別に時間計測し、付加価値を生まない業務を把握する
 ※差別化が可能なプロセス→出品数予測して発注を行う非提携業務にかかる時間が多すぎる
 ※差別化が可能なプロセス→予測ミスによる材料の破棄率が高すぎる
2.2 業務プロセスのIT化の課題
 ▼業務プロセスをIT化するための課題
 ※「予測」をシステムで行うことは難しい
 ※課題の解決方法→過去の販売データから似た天候のものを抽出加工し、予想出品数として表示
 ※「予測」は人間の経験が必要で完全IT化は難しい
 ※課題の解決方法→システムの予想出品数を人間が経験をもとに修正を加えられるシステムとする
 ※出品数が予測できても、それを材料に変換するのに時間がかかる
 ※課題の解決方法→予想出品数から必要な材料へ自動変換してくれる機能 例:サラダ3品→レタス1個
2.3 策定した事業戦略と活用したIT技術
 ▼策定した事業戦略と活用したIT技術
 ※レジPOSに予想出品数が表示されるので、最終的に担当者が確認し経験により数量を訂正する
 ※入力した料理の出品数量は、自動的に必要な材料の量に換算され表示される
 ※必要となる材料とその数量は仕入れ先に自動的に発注される
3 事業戦略の提案方法とその評価について
3.1 事業責任者への提案と評価
 ▼事業責任者に対して行った提案の工夫
 ※システム導入による発注業務の作業効率向上でコスト削減が見込まれることを説明
 ※出品数予測アルゴリズムを一部店舗で手計算で実験したところ廃棄率低減の効果があったことを説明
 ※削減効果をわかりやすくするため、導入しない場合と比較した表を提示し説明
 ※また実際の従業員に、このシステムが作業効率を高めることになると発言してもらう
 ▼提案への評価
 ※評価された
3.2 今後の改善点
 ▼今後の改善点
 ※POSは既存ソフトを使用したりオープンシステムを改造し利用するなどしてコスト削減
STEP4 エディタで論文を記述する
 まずは論文をエディタで記述する。エディタで記述すれば短時間で何本も記述できるので効率的に学習できる。手書きでやると途中で飽きたり疲れてしまい継続しないので、効率よくエディタで演習しよう。
 記述した論文は保存しておくこと。後で読み直すと初期の論文が如何に穴だらけであるかわかると思う。逆に言うと論文能力が向上している証拠だ。
STEP5 手書きで論文を記述する
 最後に実際に手書きで論文を書く演習をする。A4サイズの400字詰め原稿用紙を購入して、しっかりと椅子に座って記述してみよう。
 あくまで自分の場合だが、標準的な解答文字数である400字詰め原稿用紙に7枚分書くのに90分ほどかかる。そうすると、章立てや骨子作り、最後の見直し、アンケートの回答に30分で行わなければならないということがわかる。もし、7枚記述するだけで120分ほどかかるとすると、骨子や章立てを作る時間がなくなってしまい、最後は殴り書き状態になってしまうだろう。なので、試験が近くになったらせめて一度ぐらいは手書きで論文を記述して、自分の手書き能力がどの程度のものであるのか確かめるのが望ましい。できれば、どのようにすれば短時間で記述できるのかさぐりながら学習していくのがいいだろう。
書けなかった漢字はメモる
 PCに慣れていると、手書きで漢字がなかなか書けなくなってしまっていることに気がつくと思う。
 論文の演習中にPCを使って文字を調べるのは良いとしても、それだけだとまた忘れて書けなくなる事が多い。なので、書けなかった漢字は、どこかにまとめてメモしておいたほうがいいと思う。で、あとから見直して漢字を勉強する。まったく書けなくなっているのなら、本格的に勉強する必要があるけれども、ちょっとど忘れしている程度ならば、あとから見直せば思い出せるはずなので、メモしておいて、本格的な学習に利用したり、試験前日に見直して記憶を呼び覚ましておくようにしたほうがいいと思う。
解答テクニック 午後2
解答用紙への工夫
 実際の試験では、解答用紙として週刊誌や青年漫画誌のように紙が二つ折りにされ、真ん中がホチキスで留められている冊子が配られる。ちょうど、IPAの各試験の午前、午後の問題冊子のような形状である。その1ページに400字詰め原稿用紙のマス目が印字されている。つまり1ページの裏表に両方記述をすることになる。紙質は厚手の原稿用紙のような感じで、多少、つるつるした感じである。
 ここで二つの問題が発生する。
 一つは裏移りの問題である。1ページの裏表に記述するので、表を書いた後に裏を記述すると表に書いた時が裏移りしてしまうのである。下敷きが使えればいいのだけど、持ち込んでいい筆記用具に下敷きは含まれていないため利用できない。なので特に筆圧の強い人、濃い鉛筆を使うと汚くなってしまい、採点者の印象も悪くなりかねないという懸念がある。
 二つ目の問題は書き心地が変化してしまうことである。説明が難しいけど、週刊誌の表紙に文字を書こうとすると、机と表紙の間に何枚も紙があるので、当然、書き心地は柔らかい。ところが、裏表紙に文字を書こうとすると、今度は机と裏表紙の間には紙が一枚もなく、机と直接接しているので、書き心地が堅くなる。前述の通り解答用紙も週刊誌のように二つ折りにされているので、1ページずつ記述をしていくと、書いてる紙と机の間の紙の枚数が変化してしまう。この変化が以外と苦痛で、このおかげで手が痛くなったりする。そこで、完全に解答冊子を折り返してしまい、机と記述している紙の間の枚数を一定にさせるようにすると変化が無くていいと思う。よく、満員電車で新聞の読みたい面を折り返して読んでいる人が居るけど、あの要領。単語帳やスケッチブックのようにくるっと裏側に一周させるイメージ。
 ところで関係ないが、会場によっては、かなり机の状態が酷いこともあるようだ。特に古いテーブルで木目がデコボコしているようなところもあるらしい。そういうところはボール紙が配布され、それを下敷きがわりに使うように指示されるらしい。このような可能性も考えて、シャープペンの芯などは異なる硬さのものを用意するとかするといいかもしれない。
文房具や解答用紙の評価
紙質
 紙質は、午後1はマークシート用紙のような、わりと色が乗りやすいタイプの紙で応用情報の午後と同じような感じ。午後2はどちらかというと若干つるつるして色が乗りにくい感じだった。
 そのため、手の疲れ防止のため2Bを午後1で使うと非常に書きにくく文字が汚くなる傾向があるように感じた。しかし午後2は若干つるつるしているので、2Bでも十分に記述が可能だった。なので、手の疲れが激しい人は午後1をHB、午後2をBか2B(受験票にはHBかBを指定)などと使い分けたほうがいいと思う。
文房具
 自分はパイロットの「ドクターグリップ Gスペック」と三菱鉛筆の「ユニ アルファゲル クルトガエンジン搭載タイプ」を利用してみた。
 ドクターグリップはとても重心のバランスが良く書きやすい印象があった。ユニアルファゲルのクルトガ搭載タイプも同様、書き心地は問題ないのだが、つかれにくさではドクターグリップのほうが上に感じた。
 しかし、実際に利用してみると、特に2Bの芯では、すぐに芯が減るので、どんどん文字が太くなってしまう。その場合にはクルトガ搭載タイプのユニアルファのほうが、常に芯のとがった部分を利用できるので、書き心地が維持され非常に書きやすかった。ところが、HBなどの堅い芯で午後2の論文の解答用紙のようなツルツルした紙に記述しようとすると、逆に芯のとがった部分のみ紙に接するため、芯のひっかかりを感じて書き心地がものすごく悪くなった。
 そのため、柔らかい芯→クルトガ搭載タイプ、硬い芯→ドクターグリップなどと使い分けたほうがいいと感じた。
 しかし、このあたりは書き方によっても随分違うと思うので、実際に試してリスクを軽減するか、異なる芯やシャープペンを複数持ち込むなどのリスク回避を検討したほうがいいと思う。
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  • テスト --- 管理人 (2017/06/16 19:02:27)

  • 最終更新:2017-06-01 20:23:39

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