plan
情報処理技術者試験の勉強スケジュールまとめ
はじめに
基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、ITストラテジストなどの情報処理技術者試験の勉強スケジュールに関するまとめ。
どのようなスケジュールで勉強すればいいかなどを解説。
目次
情報処理技術者試験とは
概要
情報処理技術者試験は、具体的には以下のような目的のために実施されている。
情報処理技術者試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験です。
情報システムを構築・運用する「技術者」から情報システムを利用する「エンドユーザ(利用者)」まで、ITに関係するすべての人に活用いただける試験として実施しています。特定の製品やソフトウェアに関する試験ではなく、情報技術の背景として知るべき原理や基礎となる知識・技能について、幅広く総合的に評価しています。
具体的な情報処理技術者試験の詳細については情報処理推進機構のサイトの情報を参考にして欲しい。
1年間の試験スケジュールのおおまかな流れ
申し込みから発表までの流れ
情報処理技術者試験の申し込みから発表までの流れは、一部の試験区分を除き概ね以下のような流れになっている。
ではまず、前年度の試験の終わりから1年間のおおまかな流れをまず確認してみよう。
- 前年10月 秋季試験実施
- 前年12月 秋季試験合格発表
- 1月 春季試験申し込み開始
- 4月 春季試験実施
- 6月 春季試験合格発表
- 7月 秋季試験申し込み開始
- 10月 秋季試験実施
- 12月 秋季試験合格発表
このように半年のスパンで「申し込み→試験実施→合格発表」という流れを繰り返すことになる。
試験実施から次の試験までは半年、合格発表から次の試験までは4ヶ月、申込み開始から次の試験までは3ヶ月ということになるわけだが、社会人は時間に余裕がないと思われるので、初めて学習する試験区分の場合は、遅くとも合格発表があってから次の試験区分に関する学習準備をし始めるようにしたい。
具体的には勉強方法を調べる、良い参考書を調べる、過去問を集める、過去問を印刷するなどを試験開始前の4ヶ月ぐらい前から始めるのがいいだろう。
ただし、前回も受験したが残念ながら不合格になってしまい、今回再び挑戦するような場合には、またスケジュールは変わってくると思うので、その場合にはそれぞれの事情に合わせてスケジュールを調整していくのがいいだろう。
試験区分の選択方法
各試験区分の実施時期の確認
情報処理技術者試験は春と秋に試験が実施されている。しかし春と秋の両方に開催される試験ばかりではなく、春だけ、秋だけというように年に1回しか実施されない試験区分もあるので注意が必要である。
具体的な試験区分のそれぞれの実施時期は以下のようになっている。
- 春と秋の両方実施
- 情報セキュリティマネジメント試験
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- 情報処理安全確保支援士
- 春のみ実施
- プロジェクトマネージャ試験
- データベーススペシャリスト試験
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- システム監査技術者試験
- 秋のみ実施
- ITストラテジスト試験
- システムアーキテクト試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- ITサービスマネージャ試験
このように春のみ実施されている試験と、秋のみ実施されている試験がある。春か秋しか実施されない試験は年に一度しか受験できないことになるので、万全の体制で試験に望みたい。春と秋の両方に実施される試験もあるが、特に情報処理安全確保支援士は高度試験で唯一の春と秋の両方で受験できる試験であるので、例えば春に実施される試験で取得したいものがなくなった場合に受験を検討するなど、ワイルドカード的に受験できるので、そのメリットを最大限に活用しよう。
試験区分の選択方法
試験区分の選択に関しては、上記のように春と秋の通年で受験できる試験区分と、春だけ実施される試験区分、秋だけ実施される試験区分があるので注意が必要である。
どの試験区分を受験するかは、もちろん自分が勉強したい分野、合格したい分野を優先的に学習すべきであることは言うまでもない。しかし、同じ優先度の分野が複数ある場合には受験する順番が重要になる場合があるので注意が必要である。
例えばプロジェクトマネージャ試験(PM)、ITストラテジスト試験(ST)、情報処理安全確保支援士試験(SC)を受験しようとしていると仮定しよう。前述の通りPM試験は春、ST試験は秋、SC試験は秋と春の両方で実施されているのでSC試験は年に2回受験できるが、その他の試験は年に1回しか受験する機会がない。ということは、最初にST試験とPM試験を優先して受験すれば仮にどちらかの試験に合格した場合でも、その試験の代替としてSC試験を受験できることになり、機会損失が最低限になる。
さらに別の例としてPM試験、データベーススペシャリスト試験(DB試験)、SC試験を検討している場合、PM試験、DB試験はともに春季試験なので春にSC試験を受験するのは効率が悪くなることは誰が考えても明らかだと思う。この場合はSC試験は秋季試験で受験したほうが機会損失がない。
前述した通り自分が最も最初に合格したい試験区分を優先するのは当然だが、優先度の同じ複数の試験区分を受験しようとしている場合には、その受験順序も重要になるので、そのあたりもしっかりと検討するようにしよう。
勉強スケジュール
勉強スケジュールの考え方
情報処理技術者試験の学習スケジュールに関してはネット上などで様々な意見がある。1ヶ月でいいという人もいれば、半年は必要という人もいるが、それらは様々な条件のもとでの発言であるので、必ずしもすべての人に通用する考え方とは言えないと思う。
確かに実際に仕事をしている分野であれば、その分野の学習をする必要はないだろうし、学生ならばサラリーマンより学習時間はあるていど自由に設定することができるので短期間の学習でもいいかもしれない。
だが、どのような人であってもある程度の期限を区切り、その期限の中で一つずつ学習をこなしていくことは重要になると思う。当wikiでは一般的なサラリーマンを対象にした学習スケジュールとして記述していくが、学生や受験分野を仕事としている人は、状況に合わせて時間軸を自分に合わせて変更して取り組んで欲しい。
また、ここで記述しているスケジュールは、はじめてその試験区分を受験しようとしている人に合わせたもので、残念ながら前回に不合格になってしまい再受験しようとしている人は、これから述べるスケジュール例を参考に自分の状況にあわせてスケジュールを調整して欲しい。
基本情報処理技術者試験、応用情報処理技術者試験の勉強スケジュール例
基本情報処理技術者試験(FE)、応用情報処理技術者試験(AP)は午前の午後の試験に別れる。そのため、午前の学習→午後の学習という流れが基本的な流れになる。人によって過去問演習から始めたり、参考書を読むことから始めたりなど様々な勉強方法があると思うが、スケジュール的には下記のように区切ったほうがいいだろう。
当wikiでは試験の分野別に学習することを勧めているため、参考書による学習と午前問題の演習は分野ごとに並行して行うようなスケジュールとなっている。参考書の1章(1分野)を学習したら、その分野の午前問題を解くというように学習していき、午前問題は2月中に終わらせるようにしておこう。
- 1月(7月)
- 事前準備
- 試験の申し込み
- 試験に関する情報をネットで収集
- 参考書、問題集の購入
- 過去問のダウンロード
- 過去問の印刷
- 参考書を利用した学習
- 午前問題の演習と復習
- 2月(8月)
- 参考書を利用した学習
- 午前問題の演習と復習
- 3月(9月)
- 午後問題と解凍テクニックを読む
- 午後問題の演習と復習
- 4月(10月)
- 直前に実施された試験を本番と同様の形式で解く
- 苦手な分野や苦手な問題の再確認
- 試験の受験
このようにスケジュールを見ると、実際に考えるよりかなり学習時間が短いと思わないだろうか?土日だけ学習するとしたら、1ヶ月で約8~10日ほどしか学習する時間がないことになる。最大10日ほどでAP試験の午前、午後をすべて演習し復習しようというのだから、かなりの過密スケジュールであることがわかると思う。
なのでおおまかなスケジュールは上記のように区切って行うとして、できるだけ前倒しし、12月(6月)ぐらいからしっかりと準備して学習をしていくことが重要になると思う。
とはいえ、それほど時間をとれる人がいるわけではないと思うので、最低でも上記のようなスケジュールで学習するようにしていこう。
非論文系高度試験の勉強スケジュール例
非論文系の試験では論文を記述する必要がないので、論文に関するテクニックを学習する時間がないぶん多少の余裕はあるが、それでもスケジュール的にはかなり厳しいものになる。試験までの時間がかなりある場合には「あと3ヶ月あるからなんとかなるだろう」というように思うかもしれないが、実際には学習する時間はかなり少ないのであっという間に時間が経過してしまう。結果的にもっと早くから勉強しておけばよかったと思うことが多くなりがちなので、時間に余裕をみて学習していくようにしよう。
なお高度試験の受験者は、午前1は免除か、余裕でクリアできるものと思うのでスケジュールには含めないものとしている。免除されておらず自信がない人は別途スケジュールに午前1を組み込んで欲しい。
具体的には以下のようなスケジュールになる。
ポイントはいかに参考書を早く読み終えることと、午前2を早く終わらせることだ。る午前2は丸暗記に近いかたちでクリアできてしまうので、できるだけ早く終わらせて午後1の過去問演習に入ろう。
- 1月(7月)
- 事前準備
- 試験の申し込み
- 試験に関する情報をネットで収集
- 参考書、問題集の購入
- 過去問のダウンロード
- 過去問の印刷
- 参考書を利用した学習
- 2月(8月)
- 午前2の演習と復讐
- 午後1の解答テクニックを読む
- 午後1問題の演習と復習
- 3月(9月)
- 午後1問題の演習と復習
- 午後2の解答テクニックを読む
- 午後2問題の演習と復習
- 4月(10月)
- 午後2問題の演習と復習
- 直前に実施された試験を本番と同様の形式で解く
- 苦手な分野や苦手な問題の再確認
- 試験の受験
こちらも週末だけの学習となると月に8日程度しか学習時間がとれないので、できるだけ時間をかけないで勧めていくことが重要だ。そのためには参考書による学習と午前2についてはできるだけ早く学習を終えることが重要だ。さらに午後1の演習と復讐については3月の中旬までには終わらせて午後2の演習に入るようにしよう。
このスケジュールでは厳しいと感じたら、前倒しして12月(6月)からの学習も視野に入れておこう。
論文系高度試験の勉強スケジュール例
論文系の高度試験を初めて受験する場合には、情報処理技術者試験における論文の記述テクニックから学習しなければならなくなるため、スケジュール的にはかなり厳しいものになる。そのため初めて論文系試験区分を受験する場合には、できるだけ早めに取り掛かったほうが無難だろう。
- 12月(6月)
- 参考書を利用した学習
- 午前2の演習と復習
- 事前準備
- 試験に関する情報をネットで収集
- 参考書、問題集の購入
- 過去問のダウンロード
- 過去問の印刷
- 1月(7月)
- 事前準備
- 試験の申し込み
- 参考書を利用した学習
- 午前2の演習と復習
- 午後1の解答テクニックを読む
- 午後1問題の演習と復習
- 2月(8月)
- 午後1問題の演習と復習
- 論文の解答テクニックを読む
- 論文の基本についての学習
- 3月(9月)
- 論文の基本についての学習
- 午後2問題の演習と復習
- 4月(10月)
- 午後2問題の演習と復習
- 直前に実施された試験を本番と同様の形式で解く
- 苦手な分野や苦手な問題の再確認
- 試験の受験
はじめて論文を記述する人は、論文を記述できるようになるまでかなりの時間がかかると思われるので、そのぶん余裕をもったスケジュールにしておきたい。なので、合格発表の時期ぐらいから参考書を購入し、少しずつ学習していくようにしよう。
すでに論文系の試験に合格経験がある場合、論文の基礎を理解していると考えられるため多少、スケジュールに余裕がでてくるので、そのあたりは事情に合わせてスケジュールを調整してほしい。
論文系試験では1月までには参考書による学習と午前2演習を終わららせておきたいところだ。遅くとも2月中に午後1の演習も終わらせて、あとは論文対策に集中したいところだ。
スケジュールを作成するメリット
すでにスケジュールを見ていただければわかるように、思ったよりギリギリのスケジュールだと感じないだろうか?このスケジュールをみると、試験申し込み時期から学習するのではなく、もう少しはやくから余裕をもって準備しておいたほうがとということがわかると思う。
このようにスケジュールを決定すると、いかに時間が足りないかが実感できるのですぐに学習しなければという焦りが生じ、余裕をもって学習しようとする動機付けになる。
さらに「2月までに午前2を終わらせる」といったマイルストーンを設置する効果も期待できる。これら設定したマイルストーンに従って学習をすることで、遅延なく効率的に学習できるので有効的だ。
もし漠然と学習をしていたら、何月までのどの程度の学習を進めておけばいいのか進捗状況を理解することができず、結果的に試験日が近づいてしまい学習がおろそかになることを防止できる。なので、まずはスケジュールを考えて、そのスケジュールに沿って学習することを検討してみて欲しい。
コメントを残す
- 最終更新:2017-12-27 21:00:21